研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2018年2月9日金曜日

やらなきゃ良かった!!!定期点検と定期交換 いじる人の経験によってヒューマンエラーの温床となる


定期点検と定期交換という項目は、いたるところに転がっているが、その定期点検によって、今後大きなトラブルに発展するであろう、問題の箇所を発見することは少ないと思っている。

そのような問題の有る部分は、定期点検以前の時期に何らかの症状が出ていると考えられる(制御系のセンサーやソフトとなると難しいが)。それを感じて整備に回すというのは・・・

このことは、何も先日のヘリコプター墜落に限ったことではない。クルマ、バイク、電車など、人の手が加わるものと場所にはどうしても出てしまう症状と捉えている。

部品交換や点検で、いくつかの周りの部品を取り外すことは出てきて当然。そして、その部品取り外しの後の組付けで、やってしまう問題が「ネジの仮締め」である。

後で完成時に全てを締めれば問題は出ないが、それを忘れるのが人間。特に時間に迫られていたり、仕事後の楽しい計画などがあると、そちらに神経が行ってしまい、気が付いたときには「事故」。ロボットだったらそんなことはないのだが。それが完結されるにはもう少し時間がかかりそうだ。

新幹線の台車が割れていた件では、「割れない」という思い込みがその問題発見が遅れた理由だろう。作業、もの造りの重要性は現代社会では当然のこと。しかし重量物、見た目にすごいものであると、その中に隠れている問題を見極めることは難しいが、常に「疑い」の目を持って物事に接していれば、「何だかおかしな・・・」を感じることが出来るはずと思う。

また、いつも若者に話していることは、作業の内容と進行を頭の中で反復できるように、反復しながら、そして確認しながら進めること。これにより、作業の内容を忘れることはないので、締め付けミスは出ない。

そうすると検査する道具の開発も自ずとできてしまうだろうし、またそうならないのはおかしい。その仕事をこなせばいいという考え方であると、不良部分を発見できないばかりか、「やらなきゃ良かった・・・」となって、トラブルを造り込むことに発展する。

特に重要なことは、いじる人物の性格、経験である。仕事として金銭を稼ぐことが重要目的であると、どうしても手元はおろそかになるが、その同じ作業でも、好きなことを選んでのことであると、必然的に気持ちが高ぶり、ヒューマンエラーに発展することは少ない。

また、部品を新しいものに交換するときには、その新しい部品が正しく作られているかの検証を行うことも重要で、新品=問題ない、という考え方は間違い。かえって、使われていたものの方がその実績もあるので、問題の起きない可能性がある。ただし、金属疲労ということを考えた場合では、新しいものと交換すべきなのだが、新しいものが絶対ではない、ということは肝に銘じておきたいこと。

組み付けでは、締め付けトルクが重要ではあるが、その数字は絶対ではない。どこに使われるネジなのか、どのようなネジの精度(一品生産のものが優れたネジ精度を持っていても、強度となると話は別)なのか、最初からクルクルと手で回せるネジがいいとは限らない。

昔のメルセデスやハーレーなどでは、軽くねじ込める状況ではなく、まるでセルフロックのネジを扱うような、とても時間のかかる造り方をしていた(現在のメルセデスは?)。これ全て、締め付けたネジが、締め付け不良に陥っても、それ以上緩まないことで大きなトラブルに発展しないよう考えられたものであると思う。

ネジの締め付けトルクで、トルクレンチ重視の方を見かけるが、そのトルクが必要な場所は、均等に締め付けることで性能の安定性が確保できる場合である、という考え方を持っている。シリンダーヘッドの締め付けなどはそうだろうが、ここでの締め付けトルクは、ガスケットから吹き抜けない程度の少ないに越したことはない。クランク回りのベアリングキャップとなると、強く締めても締め付け歪は関係ないので、大きいほうの指示トルクで締める。

とにかく、まず第一には整備士の感覚と腕の力を養って、どのような部分に使われるネジなら、このくらいの力(トルクレンチ無しに)で締めれば問題ない、ということを学習すべきであると思っている。

自己責任におけるクルマやバイクいじり、整備を数多く経験していれば、そこに自分の性格を見ることが出来る。また、周りにいる友人たちからの評価も、自ずと違ってくる。これが反省とそこから生まれる、「自信」ではないヤリガイが重要なのではないかな~と考える。

最近のクルマでは定期交換部品を指定しているものは少ない。特に自家用車となると、営業用とは違って無交換なんていう項目も多くなった。確かに、ディーラーメカニックの資質に疑問や問題が多いので、分解交換の作業を少なくして、一生物としたほうが、自家用車のオーナーにとってはベストなのかもしれないが・・・クレームで大きな部品交換をやってもらった結果、とんでもない作業ミスを埋め込まれた経験が有る者にとっては、それが言えそうだ。