研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2018年2月19日月曜日

だいぶ前の話だが、東名高速で起きた事故。前方から飛んできたクルマ、なぜ飛んだのか?


いろいろなテレビ局で、なぜ乗用車が飛び上がって、屋根をバス側に向けながら正面衝突したのか、ということの検証や解説をやっているが、私なりの判断を述べる事にする。

乗用車が走行車線を走りながら、よそ見運転して、気が付いたときに左側のガードレールに軽く接触したとすると、一般の方なら当然パニックとなり、アクセルは戻すがハンドルを大きく右に切るだろう。軽いエンジンブレーキとなり、フロントタイヤのグリップは確保され(FF車である)急激に右へ向きが変わる。すると、次には向きが変わりすぎたので左へ大きくハンドルを切る。

こうすると、クルマには横向きの大きな力がおき、横滑りが発生する。その状態で、右側の縁石の衝突すれば、クルマは裏返しのベクトルが強くなるので、普通なら横転ですむところを、その先にあるガードレールの上部に当たることで、更に上向きの力が大きく発生し、宙高く舞い上がる。

事故現場の道路は緩やかな右カーブで、走り易いようにカント(バンク)が付いている。そのことにより、衝突したクルマの右側には、高さ70cmほどの段差があり、それをカバーするため法面(のりめん)を作る羽目になったことが問題視されているが、警察の発表によると「法面を走った形跡がない」ということだから、縁石で跳ね上げられ、更にガードレールで突き上げられた可能性が高いと見る。

クルマが、どのくらいの速度で、どのくらいの段差があると、そこに乗り上げた場合、どのような挙動を生むか、という検証をしていた局もあるが、使用したクルマがまずい。排気量の大きなFR(フロントエンジン・リヤドライブ)だからだ。

事故を起こしたクルマはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)で、当然、駆動輪の違い。前後重量バランスの違いから来る挙動は大きく違う。

どうせ実験をするのなら、事故当時と同じような条件を作り、再現したほうが説得力があるのだが、やりやすい方法でまとめると、結論が大きく違ってくることが多い。その結論を正しい判断だと捕らえる方はいるだろうから、事実と違う情報が独り歩きする。これはいいことではない。