研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年11月8日土曜日

スズキCARRYのオートギヤシフトに乗ってみた


現在、世界最高のギヤミッション・オートマチックだ

軽トラックでもトルクコンバーターを使用したAT(ステップAT)はあるが、どうにも効率は高くないし、駆動力は力強さという点から、現場で酷使される軽トラックとしては魅力が薄い。

同じ仕様であると販売価格が3ATと同じ。そして、JC08モード走行燃費は5AGSが一番いい。ただし、それが使用時の燃費と結びつくわけではないが、全体的にいい方向へ行くことは確かだ

機械的な精度と、それを働かせる制御がマッチングすれば、ステップATに負けない、ギヤミッション・オートマチックが出来る。それを証明したのがスズキキャリイに搭載された5AGSだ

やはり、ダイレクトに駆動が伝わるMTが求められるのだが、今ではAT限定免許という方が多い時代。

そのような背景もあって生まれてのが、ギヤミッションのシフトをオートマチックにするというもの。

欧州メーカーではかなり前から、このギヤミッション・オートマチックを採用しているが、アップシフトするたびに加速力が大きく抜けるため、身体をドライバーの運転方法にかかわらず、前後に揺す振られ、決して乗り心地がいいものではなかった。

だからといって、軽自動車ならこのようなシフトの悪さが許されるはずも無く、ツインクラッチとはいかないまでも、昔のステップAT(電子制御される前の話)並みか、それ以上が求められる。そして開発されたのが、スズキ・キャリーに搭載された5速オートギヤシフト(5AGS)である。

その結果、さすがに気持ちがこめられている。発進加速の最中でもシフトのたびに発生するはずの、不快な加速力の変化を感じさせないのだ。

アクセルを少し踏んでの発進加速は当然だが、一番変化の出易いアクセル半分踏みでの発進加速でも、非常に素直で、文句のつけようが無い状態。それこそ、一昔前のステップATよりも加速力の変化が無いぐらいである。

今、世界で一番のギヤミッションATがスズキのキャリイに搭載されている5AGSと断言できる。こいつを超えられるメーカーは出るのだろうか、楽しみである。

欲を言わせてもらうなら(開発者には話したが)、マニュアルモードでのシフトは、もっと素早く出来ないのか、それによるショックが出ても当然のこととして受け入れられるので、ドライバーの意思を優先し、スパッとシフトアップ、シフトダウンが望ましい。

このマニュアルモードにおいても、オートモード同様にショックの無いことを重視しているということだったが、それは違うように思う。

MTでのシフトダウンは、エンジンブレーキを重視したいことから、クラッチを繋いだときのショックは出てきて当然であり、スムーズにクラッチを繋ぐようなことをやっていたら、空走時間と距離により速度が速くなって、エンジンブレーキどころではなくなるからだ。そう考えれば、オートギヤシフトのマニュアルモードでも、同様なプログラムは必要と判断した。

そういえば、トヨタが10年以上前に発売していたMRSのクラッチペダルレスでは、ギヤミッションでありながら、クラッチは電子制御であっても、ギヤシフトはマニュアルモードのみ(オートモードは開発していたが完璧ではなかったという)。

アクセルを踏んだままのシフトでも、インジェクターの制御と点火時期の制御で、違和感のある大きなシフトショックは無かったと記憶する。電制スロットルが採用される前でこれが出来たのだから、現在の技術を使えば、MRS以上のマニュアルモードによるシフトが完成できても不思議ではないだろう。