研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年10月5日日曜日

本田エコマイレッジチャレンジ2014で見た、とんでもない光景


とんでもない光景とは、燃料であるガソリンが入る、ガラスの容器(主催者が用意する)のレベルを最終的に調整する、燃料微調整場所で練習走行日の土曜日に見たもの。

なんと、微調整で使用するガソリンが、オイルジョッキに入れられ、無造作にテーブル上に置かれているのだ。

運営組織が変わってからの燃料微調整場所。テーブルの上にボトルに注入するためのガソリンが、オイルジョッキに入れられ、無造作に置かれている。こうすることで、ボトルへの注入はやりやすいが、事故はその分起きやすい。作業性を優先するか、人命なのか、考える必要はないはず。この状態を運営組織が変わって最初のイベントで見つけられなかったのは、申し訳なかったのだが・・・でもこれ俺の仕事か~

もちろんこれが、密閉できる状態なら太陽の熱で暖められていないか、そのことは注意が必要だが、そうではなく、完全に開放状態。

誰かが、テーブルを突き飛ばしたとたん、そのオイルジョッキは落下し、周りにガソリンをぶちまける。隣ではエンジンを始動しているマシンもあるし、路面温度は高い、そこに工具でも落とそうなら、一巻の終わり。

火災になったとたん、周りの人は大慌てで、他のテーブルもひっくり返すことは目に見えているから、そこいらじゅうが火の海になる。

消火器は用意してあるが、常にそれを持っている人がいるわけではない。よって消火活動は出来ない。そこにいる全員が火だるまになるのは明らか。

そう考えたとたん、ぞっとすると同時に私は、その微調整エリアに近寄らないことを決めた。

直ぐに競技委員長へ電話を入れ(俺がやることではないのだが)、現場に来てもらい、状況を説明した。そして、現場のオフィシャルが言いうには「これまでの方法と変わっていません」。「昨年はテーブルの下にガソリンが入ったジョッキを置き、それを使っていましたが、誰かがそのジョッキを蹴飛ばし、こぼしたことがあったので、今年はテーブルの上に置いてます」。「運営組織が変わってから、同じ方法で、それまでのやり方は知りません」という返事。

あそ~ですか、で済ませるわけにはいかない。これでは事故が起きても当然であるし、起きないほうが不思議。起きなかったからラッキーは、イベントとして最低。

「何とかしたほうがいいよ」。ということを競技委員長に申し入れした結果、運営反省会で取り上げられ、決勝当日は燃料を注入するボトルへ給油する係りを決め、ガソリン携行缶からオイルジョッキへ移し、直ぐさまボトルへ注入。数多くのボトルが用意されていた。

ここまではよかったのだが、まだテーブルの上にはオイルジョッキにガソリンが入っている状態が見られた。これは、恐らく微調整で入れすぎたガソリンを抜く注射器が一杯になったものを、テーブルの上に無造作に載せられているオイルジョッキの中に放棄したものだろう。もちろん開放状態であった。

ガソリンの怖さを知らない人たちが、重要なポジションを支配していることに脅威を感じざるを得ない。

では、運営が変わる前の組織ではどうしていたのか、当時の運営関係者に聞いてみた。すると、やはり、当然、の答えが返ってきた。

「スポンサーとしてゼネラル石油をお願いしていたので、ガソリンの危険な取り扱いは、そのゼネラル石油から派遣されてくる方が携わっていた」「ゼネラル石油にしても、自分達がスポンサーしているイベントで何かあったら大変、という気持ちがあるため、確実にリスクは排除する方法を取っていた」「燃料微調整では、ガソリン携行缶に入れて必要な量を用意し、それをゼネラル石油のプロが、石油ポンプを使ってボトルに詰め、注射器で抜き取ったガソリンは、密封した容器に破棄する形をとっていた」

2005年、運営組織が変わる前の燃料微調整場所。オイルジョッキに入れたガソリンなど、どこにも見当たらない。それは当然、そのような安易な取り扱いをしていない。リスクを排除することは当然だからだ

これまで30回以上、この燃費競技会へは、いろいろな形の取材で訪れているが・・・

ガソリンの危険を知らない、或いは大丈夫、という安易な気持ちが、このようなやり方で進行していたようだ。

「燃料微調整場所で、タバコをすったり、テロ行為をするやつなんかいない」という気持ちは正しいと思うが、意図的ではないところで起きる事故、それを想定できないのは最低であると感じた。