研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年9月20日金曜日

南カリフォルニアで自動運転を体感する

8月19日からの1ヶ月に渡り、南カリフォルニアのエルトロ(アメリカ海兵隊航空基地跡地)に特設されれたのが“NISSAN360”
海兵隊航空基地跡を利用したテストコース。滑走路が走行場所となる。白い大きなテントがメイン会場

1年の準備期間を経て行われた、この日産グローバルイベント“NISSAN360”は、日産自動車の革新的技術、グローバル商品、ブランド戦略を披露する場であり、その会場にRJC会員の一部がお誘いを受けた、と言うわけである。

1ヶ月の間に参加したのは1000を超えるメディア、サプライヤー、自動車ディーラー、各業界のエキスパートと言う。その中に我々RJCのメンバーも加えていただけたことは、まことにうれしい限りである。

もちろん短時間だが試乗する機会もあり、目移りするほどの数から選ぶのは気ぜわしいが、体験した中から少しだけ紹介したいと思う。
自動運転の開始。運転席に座る技術者は、ハンドルから手を離したままだ 

最初は自動運転車両への同乗で、ベース車はEVのリーフ。仕様は制御装置の関係で一般道自動走行用と駐車自動システム搭載モデルの2台。


レーザースキャナー、アラウンド・ビュー・モニターカメラを搭載。プロトタイプであるから、一部のセンサーなどは露出しているが、機能としては変りないことであるし、自動運転を体験することに支障はない。

運転席には、万が一のことを想定して開発エンジニアが乗り込むが、ステアリングには手を添えない。

道路としている部分まで(白線が引いてある。白線を認知して走行ラインを決める)は、さすがに自動運転が出来ないので、そこまでの走行は手動で、これまでと同じ(カーナビとリンクさせればガレージからの自動運転も可能となる)。

自動運転に入ると、前方に普通のクルマが現れる。そのクルマと距離を保ちながら(車両間の距離は速度に合わせて自動で決まるが、変更も可能)カルガモ走行。

カーブも普通に曲がるし、対向車が来ても、それを認識しつつスムーズに走る。

もちろん、道路上にある標識はしっかりと内容を認識し、その指示通りに行動する。また、混走する他車の速度にあわせて、自車の速度も高めたり下げたりするが、制限速度を遥かに超えるような場合には、何処まで他車の速度に追従させるか、テーマでもある。
クルマの間から飛び出しがあったときなど、素早く回避する行動をとるが、それが避けられないと言う判断をした場合(左側などに余裕がないなど)は、フルブレーキングで、事故を最小限にとどめる 

クルマの間から人物などが飛び出した場合には、急ハンドルでそれを避ける。ただし、避けきれないことが判明した場合には、フルブレーキングで、衝突した場合の事故を最小限にとどめるのだそうだ。

自動駐車のシステムも、素晴らしい。駐車スペースがなく満車では一時停止するが、カメラに写る駐車スペースから動き出すクルマを見つけると、そのクルマが動き出すと同時に、自動運転のリーフもその開いたスペースに向かって、リヤから駐車を開始する。

もちろん、ドライバーが乗っていなくても、その自動駐車は可能で、クルマから降り、駐車命令を下せばそれでOK。乗車の時には、降車した位置を認識しているので、その場所まで自動で戻る。
自動駐車システムは便利だが、ドライバーが乗車していない場合の事故を想定しないと、クルマが何処に停まっているのかわからなくなる 

もちろんこれで完璧ではない、センサーやシステムがトラブルを起こしたときのフェールセイフが必要で、またそれをどのような形でドライバーに知らせるか重要なテーマである。更に、自動駐車システムでは、駐車中に他車からの衝突などでセンサーが破壊された場合、自動運転がストップすることはもちろんでも、「さて、我が愛車は何処に?」となりかねない。
自動運転車両のリーフと記念写真 

このような自動運転システムは、日本の各自動車メーカーでも挑戦しており、10年ほど前だが、スバルの自動運転車両に同乗したことがある。

同社のテストコースにある狭いワインディングを、搭載車のレガシィは、タイヤをきしませるほどの速度で駆け抜けた。

もちろん、飛び出す事故にも対応しており、そのような場所ではフルブレーキングする。でもその障害物を避けるハンドル操作は出来なかった。

このシステムは、測量用の(誤差10mm以下)GPSシステムを採用したもので、指定した地図上に従って行動する。問題は、いくら測量用とは言っても、常に安定した電波が出ている保証がないことだ。