研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年4月6日土曜日

トヨタはディーラーメカニックを100%信用していないから、いいクルマ造りになっていたはずだが

トヨタのクルマをいじっているとわかること、それは他のメーカーのクルマに対して、日常メンテナンスを含めた分解・整備が非常にやりやすいのである。

あるクルマなどは、エアクリーナーの交換が僅か数十秒で完了する。工具も必要なく、組み付けミスも出ない。ケースに書いてある操作をするだけで、初めての人でもパーフェクトに交換できる。

何故このような考え方にこだわるのか、それは、トヨタに限らずメカニックにはヒューマンエラーが多く発生するからである。

「ここまでは一般オーナーがやれる部分、ここから先はメカニック」という線引きもしていない。いくらメカニックであっても、気が付かない間違いを起こすからである。しかも、その間違いが自分のものとして返ってこない(フロントで処理されるだけ)。そこに大きな組織としての問題も潜む。街の修理工場は直接お客からの苦情がメカニックに届くので、優秀な人材の育つ土壌があるが。

このヒューマンエラーについては、実際にどのような結果となっているか、追跡調査も行っていた。


そのやり方とは・・・例えば完全にディーラーでメンテナンス管理されたクルマが、下取りとしてメンテをしていたディーラーに入ったとき、ポンコツにされる状態まで使い込んでいたり、あるいは事故車であったりした場合、走行距離、使用年数の多いものを研究所に運び込ませ、整備記録簿に記載されている事柄が正しく行われていたかどうかのデーターを集めたのである。もちろん、全国各地から、出来るだけ数多くを集めたのは言うまでもない。

当然、検証に使われたクルマには、メンテナンスをしたことにより発生している問題点が数多く発見できた。それにより、メカニックが陥りやすい構造など、出来るだけ排除する設計を順次取り入れて、現在に至っている。

前記のエアクリーナーがそうであるし、補修部品の段階でも変更が見られる。それは、ブレーキホースとディスクキャリパーの接続部分に使われるガスケット。このガスケットは、片側を入れ忘れないよう、2枚のガスケットがコの字形の一体構造に変更された。2枚バラバラのワッシャではないので、紛失もしにくいし使用してあることが一目瞭然である。

このように徹底したサービス優先のクルマ造りが、いつしか利益優先のクルマ造りに変わった。それが今、問題を引き起こし表面に出てきたのではないかと思う。