研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年1月8日火曜日

14代目トヨタクラウンのサスペンションは進化型か

ReBORN(生まれ変わる)と言うキャッチフレーズを使って発売された14代目の新型クラウンには、これまでとは少し考え方が違うサスペンション(足回り)設計が取り込まれた。

これはステアリングのタイロッドエンド。このようにS字形状をしている。伸び縮みしやすいことを利用して、ステアリング操作から来るタイヤの向きに僅かな遅れを生じさせ、コーナリング時の走行安定性を高くした

それは、フロントで言うとステアリングのタイロッドエンド形状にある。タイロッドエンドは普通ストレートのシャフトなのだが、そこをあえてS字形状とし(軸方向剛性を低減)、ステアリングを操作したときに、このS字が伸びることでタイヤの向きに、僅かな遅れが生じることを期待している。

この僅かな遅れは巻き込み現象を低減し、安定化方向へ導く。もちろん直進時にもステアリング操作に関係なく、タイロッドエンドのS字部分はタイヤに対する路面外乱を受け流し、一瞬起きるトーの変化が反対側のタイヤに伝わらないことを意味し、ここでも高速直進性に影響を与えるはずだ。

これが14代目のクラウン・リヤサスペンション。マルチリンクという形式は変わっていない。このサスペンションにはトーコントロールアームにも工夫がある。ロッドがストレートではなく僅かに湾曲しているのだ。その目的は横力を受けたときにタワミ、引かれたときには伸びることで、カーブなどの走行ではリヤタイヤが同位相することから安定が高くなる。伸び縮みするといっても0.1mm以下の数字だが、それがものを言うのだ

もうひとつは、リヤサスペンションのアーム形状に見られる。一般的には棒状の形か、パイプでもボックスセクションなのだが、新型クラウンでは違っている。

リヤサスペンションアームの断面は下側(水対策)に開口部を持つC型断面構造。捻り剛性を下げて微小作動性を向上させたというが、ショックアブソーバーが高圧ガスを使ったモノチューブのド・カルボン式ということだから、フリクションの多い(特に停止状態から動き出すとき)ショックを使うことへの対策とも取れる

ボックスセクションの下側に開口部を持つC型形状なのだ。つまり、捻り剛性を下げている。

この目的は、乗り心地を向上させるためで、サスペンションの作動が非常に小さいとき、ゴムブッシュの変位が起きる前の動きを、サスペンションアームが捻れることで先行させるもの。

ゴムブッシュだけではなくボールジョイントを採用している部分のサスペンションアームも同様な形状だ。ボールジョイントにおいても、動き出すまでの力は大きく、それを小さくすれば耐久性や位置精度が下がるため、作動としては不利になっても必要以上に強く締め挙げる処理が必要だからだ。

また、ショックアブソーバーは作動レスポンスの高いモノチューブ(ド・カルドンタイプ)で、ガス室との分離にはフリーピストンを使っている。ここの動きの抵抗を低減させるため、減衰力発生ピストンやそのピストンリングなどにはテフロン製を使っている。

と言うことは、ショックアブソーバーそのものの動きにも渋さ(初期作動抵抗)がある。それを少しでも解決するために、サスペンションアームの捻り剛性を小さくして、乗り心地を確保した、と分析するのは考えすぎか?

俗に言うガスショックはガス圧が非常に高く(作動によるキャビテーション防止が目的で10気圧以上)、その分ピストンを押し戻そうとする力も強くなり、いくら作動によるフリクションを低減しても、このガス圧に打ち勝たなければショックアブソーバーのピストンを作動することは出来ない。つまりサスペンションとしての微少作動に障害となる。なので・・・?

バイクの1本サスにもガスショックが使われているが、この場合には非常に強いスプリングと大きなレバー比(減速方向)としているため、ショックのフリクションが及ぼす影響は少ないのだ。