研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2010年9月11日土曜日

革巻きのステアリングはメンテが必要だ

本革を巻きつけたステアリング、豪華な感じで、シットリ感もあり、常時触れているものとしては、一味違った感触がたまらないのだが、長年使ううちに、色あせるだけではなく、シットリ感もなくなって、非常に滑りやすくて、扱いにくくなってしまうのが現実。


特に紫外線を多く浴びると、この状況は加速されるようで、数年で退色が始まるのだが、何とかこれを食い止めるだけではなく、色あせてシットリ感のなくなったものを、元の常態へ戻せないか行動を起こしてみた。

革製品の管理には保革油なるものがあるけれど、これは完全にオイルで、これをステアリングに塗れば、革としては良いが、その油分に閉口する。だからこの保革油をステアリングに塗りつけてはいけない。

とにかく滑ってしょうがない状況から逃れたいわけで、雨が降っていたら、その水分をいただいて、それをステアリングに少し染み込ませ、スリップ止めとして対策していたぐらいにひどかった。革製のステアリングを長く使ったことの有る方なら、このような体験はあるだろう。

なめしの革のしっとり感を取り戻すには、何が良いのがないか思案したところ、ひらめいたのは、靴のクリーナー。これなら塗りつけてもベタベタした感じは残らないし、塗りつけるそばから、革に吸収しているので、これをステアリングに少量塗りつけてみた。

すると、乾燥していた革は、直ぐに吸収して、なんとなく良い感じ。もちろんベタ付きもない。しかし、これをたっぷりと塗布して良いのか疑問で、少量摺りこんでとりあえず終了させたが、これではほとんど効果がなかった。果たして、このまま靴クリーナーを使うべきか考えたが、もっと効果があって、しかも革に優しいものはないかと思考した結果“ひらめいた”。

それは、人が使うクリーム。特に、赤ちゃん用(だけとは限らない)として販売されている、ベビーローション(ジョンソンベビー)。これなら革製品に塗りつけても、トラブルは起きないだろうと判断。とりあえず少量使ってみたが、効果を確認できたので、多少バクチ的な部分はあったが、2回目からは、たっぷりと盛り付けるように、ステアリング上へ塗布すると、時間と共に吸収され、べたつきはなくシットリ感だけが残り、さらに退色していた色も、そのローションで戻ってきた。

もちろん滑りやすいということもなくなり、雨が振っても、その雨水のお世話にならないで済んでいる。

あるクルマメーカーの用品開発者に「革製のステアリングは、数年使用するうちに、退色が起き、さらにシットリ感がなくなって、滑りやすくなるが、何か対策はないのか」、と聞いたところ、「何もないので、紫外線が当たらないようにしていただく以外手がない」とのことだったから、その方には、私の体験と実験の結果を知らせて、このような用品を使えば、革巻きのステアリングは、十分なケアが出来ることを、仕様書に記載すべきだ、と言うアドバイスをした。




1.数年使用するうちに、革巻きステアリングはツルピカとなり、グリップが効かなくなって、危険なこともある。もちろん色抜けもおきて、みっともない状態だ。




2.そこで使用するのが、お肌のケア用品。使用したのはジョンソンベビーのベビーローション(何のことはない自宅にあったからそれを使用)。人に優しいローションであれば、「当然、なめした革にも良いはず」と言う勝手な判断をした。



3.まず、ステアリングに付着している汚れを、固く絞った雑巾でふき取り(洗剤は使わなかった)、その後、しばらく乾燥させる。



4.ベビーローションは、少量ではなく、たっぷりと塗布する。特に初めて塗る場合には、ベタベタ状態でかまわない。時間が経過してもローションが残るようなら、固く絞った雑巾でふき取れば良い。水溶性なのだから問題はない。



5.それを、指先で満遍なく革の部分へ広げて(裏側も忘れないように)、1時間ほど経てば全て吸収する。指先で広げていく最中にも、革が吸収していく様子を見て取れる。



6.写真は20分ほど経過した時点。まだ、革の凹んだ部分には、ローションが残っている。これもしばらくすると消える。一日経過後でもローション分が残っていたら、乾いたボロキレで拭き上げる。2年に一度軽く塗布すれば良い状態を保てるようだ。